記憶が思い出に変わる時(仮)
次の授業は現代文。
「えー…授業の前に
持ち物検査をする」
その言葉に騒がしくなる教室。
「先生ーなんでー?」
「最近、
盗難が多発してるからだ。」
「げー俺らを疑ってんだ」
「疑わざるを得ないだろう」
廊下側の列から検査を進め、
特に何もなく最後の
あたしのところへ――…
「服部」
「はい?」
え、別にあたし何も――…
「なんだ、このネックレス。」
「あ、これはさっき
そこで拾ったんです。
この後届けようと思って…」
その言葉に由衣が
うなずいてるのが見えた。
「これは3組の
川瀬の母親の形見だ」
「えっ!」
そんな大事なもの?!
あたしは先生にネックレスを
手渡した。
「それから服部」
まだ何か…?