記憶が思い出に変わる時(仮)




次の授業は現代文。

「えー…授業の前に
持ち物検査をする」


その言葉に騒がしくなる教室。

「先生ーなんでー?」

「最近、
盗難が多発してるからだ。」

「げー俺らを疑ってんだ」
「疑わざるを得ないだろう」

廊下側の列から検査を進め、
特に何もなく最後の
あたしのところへ――…


「服部」

「はい?」


え、別にあたし何も――…


「なんだ、このネックレス。」

「あ、これはさっき
そこで拾ったんです。
この後届けようと思って…」


その言葉に由衣が
うなずいてるのが見えた。

「これは3組の
川瀬の母親の形見だ」

「えっ!」


そんな大事なもの?!

あたしは先生にネックレスを
手渡した。


「それから服部」

まだ何か…?


< 23 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop