記憶が思い出に変わる時(仮)
高校の玄関の前には
たくさんの人。
「あっ!優梨おはよーっ!」
五十嵐 由衣(ゆい)
中学時代からの親友。
さばさばしてて
男女問わずの人気者。
肩までの薄く茶色がかった髪を
ゆるーく巻いてある。
「おはよー!
由衣、制服似合うね!」
「…アンタには負けるけどね」
「へ?」
「…なんでもない」
優梨は相変わらず自分の容姿に
自覚ないんだから…
「あ、あたし2組だってー!」
「あたしも!」
由衣がいてくれるなら
心強いなぁ~…
教室には
もう半分くらいの生徒がいて
各々に過ごしていた。
「えっとー…あたしの席は…」
黒板に場所が示してあった。
1番窓側の後ろだ…
…桜が、よく見える。
「由衣ー!」
「あたし廊下側の後ろ」
「そっか…離れちゃったね」