記憶が思い出に変わる時(仮)
学校に授業開始の予鈴が鳴り響く。
あたしは玄関で
1人、泣いていた。
「帰んねぇの?」
「っ!?な…」
「泣いてんのかよ」
村岡…日向…?
「…関係ない」
こんな奴に泣き顔見られるなんて最悪だ。
あたしはすくっと立って
学校を出ようとした。
「岩瀬?」
「…え…?」
「お前らがトイレ行ってる間にカバンいじってたけど」
「…」
「何でお前――…」
「もうやめてっ!」
こんなこと知ったら
陽希が悲しむもん…。