記憶が思い出に変わる時(仮)

*Side日向






その言葉に
心臓が音を立てた。

そんな奴
この学年にいたか?


「去年の、中3の終わりに…転校したの…だから、会ってないけど…」


…遠恋ね。



「誰も…あたしのことなんか信じないよ…」


「んなことねぇだろ」


「先生もっ、クラスのみんなも…信じてないじゃんっ!あたしが盗ったんだって…!…っ」


「服部…」


「…ごめん、帰る…」



初めて真っ直ぐに
感情をぶつけられて
俺は何も言えずに
立ち尽くしていた。



あいつの闇は深すぎる。

…それだけは、わかる。

< 34 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop