記憶が思い出に変わる時(仮)
*Side日向
その言葉に
心臓が音を立てた。
そんな奴
この学年にいたか?
「去年の、中3の終わりに…転校したの…だから、会ってないけど…」
…遠恋ね。
「誰も…あたしのことなんか信じないよ…」
「んなことねぇだろ」
「先生もっ、クラスのみんなも…信じてないじゃんっ!あたしが盗ったんだって…!…っ」
「服部…」
「…ごめん、帰る…」
初めて真っ直ぐに
感情をぶつけられて
俺は何も言えずに
立ち尽くしていた。
あいつの闇は深すぎる。
…それだけは、わかる。