記憶が思い出に変わる時(仮)
*Side優梨
―――――
――
「―さん、お母さん」
「ん゛ー…何よ…」
「男の人、来てる」
「うっそ!やばっ」
せわしなく起き上がって
乱れた服や髪やメイクを直す。
「あ、いつもみたいにしてよね」
「…うん」
いつも、みたいに…
あたしは部屋に戻った。
―ガチャッ
「あら~!斉藤さ~ん」
お母さんは斉藤さんって人と
玄関でキスをしてから
1階のリビングに招き入れた。
「…あ…」
そんな甘ったるい声が聞こえたのを見計らって
あたしは静かに外に出た。
時刻はPM10:00
今日も家には戻れない。