記憶が思い出に変わる時(仮)

*Side優梨






―――――


――


「―さん、お母さん」


「ん゛ー…何よ…」


「男の人、来てる」


「うっそ!やばっ」


せわしなく起き上がって
乱れた服や髪やメイクを直す。


「あ、いつもみたいにしてよね」

「…うん」


いつも、みたいに…

あたしは部屋に戻った。

―ガチャッ

「あら~!斉藤さ~ん」


お母さんは斉藤さんって人と
玄関でキスをしてから
1階のリビングに招き入れた。




「…あ…」

そんな甘ったるい声が聞こえたのを見計らって
あたしは静かに外に出た。


時刻はPM10:00
今日も家には戻れない。


< 40 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop