記憶が思い出に変わる時(仮)
こんな時は決まって
近くの公園へ行く。
遊具で雨の日でも寝れるから。
「ふ…あははっ…」
自分のお母さんの甘ったるい声を思い出して吐き気がする。
あたしはあんな母親の元に生まれてしまった。
もう、
夜に追い出されるのは慣れた。
だから涙も出ない。
あんな母親のために
泣きたくない。
あたしが昼間、学校に行こうが
行かなかろうが
何も言わない。
いじめも何も、知らない。
今日の空は月も星も見えずに
真っ暗だった。
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―――
―
―ガラッ
「おはよ、由衣っ!」
「優梨っ」
「休んでた分のノート
ありがと!」
「ううん、あんなのでよければ
いつでも貸すからね」
由衣には感謝しても
しきれないなぁ…