記憶が思い出に変わる時(仮)
「練習の後、シュート練付き合え」
「え、あ、あたしでいいなら――…」
日向が太雅先輩を
睨んだのは気のせい?
―ピーッ
「よし、練習再開だな」
…助かった…。
太雅先輩、かっこよくてもちょっと苦手かもしれない…
「…大丈夫?」
「へ…何がですか?」
「優梨ちゃん、彼氏君について触れられるの嫌でしょ」
「…え、と」
「太雅もあんな突っ込むの珍しいけど、遠慮しないでヘルプ求めてね?」
「加奈先輩…ありがとうございます…」
本当に、いい人…
「陽希っていうんです、けど…」
「うん?」
「中学卒業して、それから1回も連絡なくて…
でも…今でも大好きで…」
「うん…」
「あたし陽希がいないとダメなんです…」
「陽希くんのこと、
信じてるのね」
少し考えるようにして
加奈先輩は言った。