記憶が思い出に変わる時(仮)
「会いに行けばいいじゃねぇか」
潤んだ目で、それも至近距離で
見つめられて一瞬
心臓が高鳴る。
もう、ヤケだった。
「引っ越し先くらい知ってんだろ?」
「ん…」
「そんなに会いたいなら明日の朝一番の新幹線か何かで行けよ…学校休んででも…」
その場に泣き崩れていた優梨は
フラフラと立ち上がった。
「…そ、する…」
ここまでこいつを想わせる陽希って、どんな奴なんだよ…
日向は知らず知らずに嫉妬していた。