記憶が思い出に変わる時(仮)
「俺じゃなくて」
あたしの顔を覗き込む日向は
「五十嵐」
静かに言った。
「…由衣…?」
「あいつが、心配してんだよ」
あ……
黙って急に東京だなんて…
由衣に心配かけた…
「…じゃあ、由衣も…」
「東京にいる」
また、迷惑、かけた――――…
「陽、希……由衣…ごめん…なさい」
「謝るなら本人に言え」
「日向にも…迷惑かけた」
「……」
「ごめん…っ…あたしのせいでっ」
みんなに迷惑かけて
あたし何してんだろ…
「ごめっ、なさ…っ…」