記憶が思い出に変わる時(仮)
陽希……ごめんね…
みんなに迷惑かけてまで
貴方に会いに行けないよ――…
いつか絶対また来るから
それまで待ってて……
―15分後
いつの間に呼んだのか
由衣が現れた。
「……優梨」
「…由衣、ごめん…」
「村岡くん、ありがとう」
由衣は泣きじゃくっている、優梨の前に同じようにしゃがみこんだ。
「陽希には…会えた?」
あたしはただ首を横に振った。
「…また、今度来ようね…東京」
「………ん」
「よかった、無事で」
そう言って由衣はあたしを抱きしめた。
すごく、あったかくて
また涙が出た。
「心配…かけて…ごめん……」
「優梨が無事
だったんだからいいの!」
「…ありがとう…」
あたしは幸せ者だね……