記憶が思い出に変わる時(仮)
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「優梨ちゃーん?」
「な、なんですか…?」
「昨日はなにしてたのー?」
「な、何って…加奈先輩…近いです…」
あたしは部活中、加奈先輩に
問い詰められていた。
理由は簡単。
「日向くんも休みだったんだけど、
もしかしたら…って思って♪」
「違いますよ!!!!」
一緒にはいたから
違くはないけど、
由衣だっていたし…
やましいことはしてない!!
「前、言ってた“彼”が原因?」
“彼”っていうのは陽希のこと。
「………」
「そっか、優梨ちゃんは
日向くんとデートか」
「え"…なんでそうなるんですかー!!!」
「日向ーーっ!」
何事もなかったかのように
今日もコートを走り回る日向。
実は今日、一言もしゃべってない。
隣の席で何を考えていたのかも
わからないけど。
「日向くんかっこいいよね」
「?!」
え、そ、空耳…?
「やだ、そんな顔しないでよー!
あたしは陵一筋だから」
「…加奈先輩」
「んー?」
「なんでもないです…」
本当は気づいてる。
ーーーー加奈先輩が
自然と日向を見ていること。