記憶が思い出に変わる時(仮)



「ただいま…」


電気ついてる…?


「やだっっやめて!!!!」

…お母さん?

リビングを覗くと
お母さんと、男の人。


見慣れた光景に吐きそうになった。


でも…
なんか…やばくない…?

お母さんの首に
男のお母さんの手がかかっているように見える。

…あたしには
関係ない…

「う…あぁ…っ」

「っ」

ーカタンッ


あたしが足を踏み入れると
2人分の視線が刺さった。

「何してんの。警察呼ぶよ?」

「チッ」

男の人は
思いっきりあたしを睨みつけて
壁を蹴って出て行った。

「けほっけほ…」


「うわ…へこんだ」

人の家破壊して行くなんて
最低なやつ…

「けほっ、…なによ…助けてなんて、頼んでないわよ」

ボロボロな姿で
あたしを見上げる鋭い眼。

負けじと座り込んだ母親を睨みつけた。

「あんたの為なんかじゃないから」

こんなとこで死なれちゃ困るからー…

って言おうとしたとき、


ードサッ

「…お、母さん…?」


お母さんがその場に倒れた。
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