記憶が思い出に変わる時(仮)
「おはよー」
「おはよ…」
「何ー?優梨、元気ないじゃん」
元気でなんて
いれないよぉ…
日向の妹が、病気だなんて。
お母さんに昨日何があったのかも
全部、椎奈ちゃんのこと以外を
由衣に話し終わるときには
もう放課後だった。
「……」
「あたし、今日病院行かなきゃ…」
「ついて行こうか?」
「ううん。ありがとう、大丈夫。」
あんなお母さんを
見られたくなかった。
惨めな姿を、見せたくなかった。