先生サマ
プルルルー
虚しくなる電話のコール
俺と庄野は静かにそれを聞きながら里緒が電話にでるのを待つ。
プツッ
里『もしもし…?』
何度かコールをならし里緒はやっと電話に出てくれた。
悠「里緒?俺…」
里『…悠也くん』
悠「里緒さ…
間違ってたらごめんだけど、航に告白された?」
翔じゃない違う名前をだしてみる。
里『え?!違うよ!
航が私をなんてありえないし告白は航じゃな―っ
あッ』
必死に弁解する里緒は口をすべらせたというふうな反応をした。
その証拠に里緒は言い掛けだった言葉を途中でやめた。
悠「やっぱり
告白、翔…?」
そういう俺の言葉に里緒は黙り込む。
暫くの沈黙の後里緒は『うん』っと一言言って翔から告白されたことを認めた。
里『…どうしたらいいか分かんないの
本当のキョウダイならキョウダイだって理由で断るのも簡単なんだけど翔…
本当の弟じゃないし
だから翔にドキドキしたのかもしれない
』
そう言って黙り込む。
俺は里緒の『翔にドキドキしたのかも』という言葉に引っ掛かりながらも電話を切った。
嫌な予感がする
その予感が
あたりそうな気がする
不安なのは里緒だけじゃなくて俺もなんだ…
里緒を翔にとられるんじゃないかっていう不安が…
その時俺はそのことで頭がいっぱいだった。
まさか嫌な予感が翔のことじゃなかったなんて思ってなかった。
自分から里緒のことを離してしまうことになるなんて思っても見なかったんだ。