先生サマ
って、そんな冷静にしてる場合じゃないじゃん私!
キスしなきゃいけないんでしょ!?
私嫌だよ!
好きでもない人となんて!
特に悠也くんとなんて!
私凡人だよ!?
可愛くもなければ特別なにといって変わった特徴などとかないし…。
それに比べ悠也くんはカッコいいし性格は…。
まだよく分からないけど…、とにかく釣り合わないっていうか…。
里「わ、私はそんな身のほど知らずじゃないですから!」
そう顔を真っ赤にして俯きながらいう私を皆呆然と見ている。
悠『なに…、言ってんの?』
一人慌てている私を悠也くんは細い目で見ている。
里「み、身のほど知らずな行為はしたくないって言ってるんです!」
悠『何がどうでどう身のほど知らずなの。』
里「ゆ、悠也くんみたいにカッコいい人と私みたいな凡人がキスをするような身のほど知らずみたいなことはしたくないって言ってるんです。」
そう言った私に悠也くんはため息をついた。
私なにかため息つかれるようなことしたっけ?
そんなことを思いながらも悠也くんを見ないようにと俯く。
悠『顔、あげれば?』
そう言った悠也くんの言葉に素直に顔をあげた時だった―…。
気づいたら悠也くんのカッコいい顔が私の目の前に。
唇には柔らかい感触がある。
一瞬なにがなんだか分からなかった私はその感触を感じたと同時にやっと今の状況を把握できた。
悠也くんと私はキスをしている。
そう思って暫くしてやっと悠也くんの唇が私の唇から離れた。
悠『…したけど?』
静かな空気が流れる中そんな空気を破ったのはキスした後の何もなかったような悠也くんの一言だった。