先生サマ
里緒はそう言う俺の顔を不思議そうに覗きこむ。
里『うん、分かったよ……悠也…くん。』
そう顔を赤らめながら俯きいう里緒。
今まで普通に悠也くんとか言ってたのに…。
悠「なに?照れてんの?」
里緒は俺の言葉にえっ!?っと驚いた顔をしながらも反論する。
里『ち、違うよっ!
ただ…、悠也くんに
言われたから…』
そう顔を真っ赤にし不貞腐れながらもいう里緒に少しドキッとしながらも平常心をよそおいながら短くいう。
悠「…あっそぉ…。」
このままでは雰囲気に流されてしまいそうなので話を変えた。
悠「用事…、なんかあったから来たんでしょ?
入る?」
そうドアを大きく開き里緒に聞く。
里『こ、これだけ!
な、名前のことを伝えようと思っただけだから!
…じゃぁ、私もう学校に行くね?』
そう言い俺にペコッと軽く頭をさげて階段をおりていく。(悠也の家はマンション)
そんな里緒の後ろ姿を見送りながらも何を考えたのか俺はすぐそばにあった上着をとり勝手に体が里緒を追い掛けて行った。
悠「里緒!」
マンションの人に迷惑がかかることなど気にせず大声で里緒の名前を呼ぶ俺。
里緒は呼ばれた後すぐに立ち止まり振り向く。
俺は立ち止まった里緒に近付き
悠「…茶だすし、まだ学校に行っても早いから…あがってけば?」
そう自分の部屋を指差しながら言った。
里『悠也くんがいいなら…。』
里緒はそうニコッと笑いながらいった。
本当は…、こんなん誰かに見られたらヤバイんだけど…
今、里緒を少しでもこの場にとどめておきたかったんだ。