先生サマ
そう言って私の背中をおす。
っていうか何で『里緒』じゃなくて美山さんなの?
先生と生徒ってそういうもの?
…いや、私と悠也くんが特別だったんだ。
そう、先生と生徒って上の名前で呼ぶ。
そういうもんなんだ…
そう思っていると勝手に目から涙があふれだした。
私がいきなり涙を流したことに悠也くんは目を見開いている。
悠『…美山?』
里「………分かりました。学校は一人で行きます。」
そう私に手をやろうとした悠也くんを見上げそう一言言って私は悠也くんの部屋をでた。
悠也くんは私がこんな辛くても悲しくても里緒じゃなくて美山って呼んでた。
里「ゆ、悠也くん…ヒック
私のこと…ッ
好きじゃなくなったのかなぁ…ッ」
そう呟きながら歩いていた。
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―――――――
辛くて悲しいこんな状況でも当たり前のように時間はすぎていくわけで…
里「学校に来なきゃいけないのが不服ぅ〜」
そう机に伏せながら文句を言っている私。
しかも今一番気まずい相手、悠也くんが担任で絶対に顔をあわせなきゃいけないのが一番嫌だ。
そんなことを思っていると、その嫌に思う原因の人が教室に入ってきた。
悠『全員そろってる?
出席とるよ。』
そう言いながらペラペラと出席簿をめくりながらそれに目をむける悠也くん。
朝の出来事が嘘かのようにいつものように出席がとられていく。