先生サマ
悠『酒井』
『はい』
悠『戸口』
『は〜い』
次々と呼ばれていく名前。そんな中とうとう私の名前になった。
悠『美山』
里「……………」
返答しない私に悠也くんは少し黙り込む。
悠『美山!』
里「美山は欠席していますと出席簿にかいておいてください。」
悠也くんの二回目の呼び掛けには悠也くんを馬鹿にしたような返答をした。
ちらっと悠也くんの方を見てみれば眉間にしわをつくり私の方をじっと前からみている。
その表情は怒っているようで、どこか哀しげな瞳だった。
悠『…村畑』
私のことを諦めたのか私から視線を出席簿へと戻し出席確認を続行する。
そんな私と悠也くんの様子に気付いたのか隣の席に座っている花蓮が話し掛けてきた。
花『ちょ、ちょっとあんた達一体どうしたのよ?』
そう言いながら伏せている私の体を揺らしてくる。
そんな花蓮にも私は
里「悠也くんは悠也くんじゃなくて先生になったの。」
そう言っただけで花蓮が何回話し掛けてきてもその一言以外話すことはなかった。
暫くして出席をとることを終え連絡事項をクラスにつたえ悠也くんは教室をでていった。
私はそんな悠也くんにかまうことなく伏せ続ける。
花蓮は席をたち教室をでていった。