先生サマ
翔と呼ばれた男に里緒のこと呼び捨てにされただけなのに腹立つ。
元彼?
でも合コンの時に付き合ったことないって言ってたよな?
なら誰?
そんな考えをめぐらせながらも俺は二人の会話を盗み聞きする。
里『ど、どーしてここにいるの!!?』
なんて男の胸ぐらをつかみいう。
っつか、里緒と男の顔の距離近い。
翔『なんでって、里緒を迎えに?』
そう目線を上に向けながらいう。
里『そうじゃない!
なんで迎えにきたのってことよ!』
翔『んなの説明面倒くせぇからどうでもいいだろ』
そう面倒くさそうに顔を里緒からそむけながらいう。
本当会話聞いてても分かんねぇ。
どういう関係だよ。
なんて思っていると、
男がなにかしらキョロキョロとあたりを見回していることに気付いた。
翔『それよかさ、里緒が言ってた好きになったかもってどいつ?』
そう里緒をニヤニヤとした目で見ながら問う。
どうやらそんなことまで話しをするような親密な仲らしい…。
里『か!関係ないでしょ!』
そう顔を真っ赤にしながらいう里緒。
里緒が言ってた気になる奴って?
なんて思いながら俺もそいつが誰なのか知りたいためキョロキョロとあたりを見回す。
そんなことをしていると男と目があってしまった。
俺はふいに目を男からそらすが男の一瞬な微かな笑みを見逃さなかった。
翔『ふぅん。あいつか…』
そうつぶやきながら翔は何か企んでいるような笑みで悠也を見ていた。