炎術使いの魔術士
目が覚めると、そこは‥って、何処だよ此処。
部屋の中なのは分かる。だが、何処だ?
よし、起きてみよう。
‥‥あれ?起きれない。
天井からは何かぶら下がっている。よく見れば、赤ん坊の玩具。
手を動かし掴んだのは、堅い部分とぐにゃぐにゃの部分が組み合わさったの。
掴んだのを見れば、おしゃぶり。ルスイめ、下界に降りるのにわざわざ赤ん坊にするこたぁ無いだろ。
これが、今流行りの前世の記憶を持ったまま転生して人生を謳歌すると言う事か。まさか自分が体験する事になるとは夢にも思わなかったが。
今度会ったら、まず不意打ちで跳び蹴りをかまし、拳でタコ殴りにして化粧品で顔面アートを施して盛大に爆笑してやろうと決意する俺。
今までのウン百年間、何時も代理を立てて正体不明の主神があの馬鹿だったとは。今まで何故言わない、薄情者。
と、文句を心の中で言ってみるが、よって来る睡魔には勝てない。結局はまた寝るのだった。