R&J -blue-
プロローグ
10年ぶりの日本

私を出迎えてくれたのは

彼ではなく

眩しすぎるフラッシュの嵐と

騒音レベルな大勢のインタビュアー




「藤堂さん!婚約解消って本当ですか!?」
(だったらなに。私の婚約解消があなたの人生にどう影響するっていうのよ。)

「一部報道では藤堂さんの浮気と伝えられてますが、本当ですか!?」
(浮気なんてしてる暇ないっつーの。)

「新恋人はイケメン外国人と聞きましたが、本当ですか!?」
(マイケルのことかな?いや、ジョンソンかしら?うーん、誰にしよっかな??ってこらこら。)

「今回のことで、藤堂グループ破綻と噂されてますが、大丈夫ですか!?」
(おっ!真面目な質問。ってかこんなことでうちが破綻するわけないじゃん。むしろ破綻するのはあっちでしょ)

心中では突っ込んではいるけど、これでも私は藤堂家の人間。全て無視。凛とした姿が映るよう心がけてマスコミの前を追加した。


「珠莉奈さま、おかえりなさいませ。」
「ただいま」

迎えの車に乗り込むと、さっきまでの騒音が嘘のように静かになった。

「まだ時間あるわけよね?ちょっと適当に走らせてくれない?」
「かしこまりました。」

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