鏡【一話完結型】
いくら気が強くて、負けん気ある利美でもたった一人で、深夜の洋館に入るのは気が引けた。
だから、少し日が暮れた今こうして来てみたのだ。


まだ太陽は完璧に沈んでいないとはいえ、陽があまり差し込まないこの場所は薄暗い。

恐る恐る奥へと進んでいく。

(あった、ここだ)


一番奥。突き当たりにある、どっしりと構えている門みたいな扉。
それをギィっと開けて、利美は中へと足を踏み入れる。

さっきよりも更に暗くなったような気がする。

どれだけ掃除されていないのだろう。
埃っぽい。
歩くだけで床の埃が舞う。

手で口元を隠しながら利美は更に奥へと進んだ。


そこで見つけた。


それはとてもとても大きな鏡だった。


利美の身長以上あった。
全身を映し出しても、まだ足らないほど。
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