蝶龍
パシッ…!!!
渇いた音が
静かな病院に響く。
叩かれた左頬が
じんわりと熱を帯痛む
琉奈「そんなこと言わないで!!あの子はあなたに生きて欲しくて庇ったの。あの子の行動を無駄にしないで!!!」
泣きながら
俺に訴える琉奈さんは
母親で…俺を憎む筈なのに
憎悪なんか微塵も感じなくて
光樹「…スイマセン。ありがとう…ございます。」
自然とそう口にしていた
琉奈「その言葉…琉伊に言ってあげて…叩いてゴメンなさい…痛かったでしょ…??」
優しく叩いた左頬を
そっと撫でてくれた。
光樹「そんな…ことないっす」
間近で見た琉奈さんは
琉伊にソックリで
あいつの可愛さは
親譲りだなって思った。