蝶龍
琉伊『おせぇよ…』
ドガッ!!!
軽やかに避けると
回し蹴りを繰り出した。
はたから見た人は
その動きに
見惚れただろう。
その隙のない
動きと相手を射ぬく視線
琉伊『……。おい鬼神の総長。てめぇの持ってるその汚ねぇブツ…どーする気だ。』
鬼総「なっ!?いつからそれにお前なにもんだ!?」
今まで喧嘩で
賑わってた筈のグランドも
あたしと鬼神総長の
会話にただただ
耳を澄ませていた。
雷龍の奴らは
まさか鬼神総長が
ナイフなんか持ってた
とは思ってもなかったみたいで
目を丸くしていた。
琉伊『俺の正体…。教えて欲しけりゃソイツを捨てるんだな。』
ほんの少し
殺気を込めて見つめた。
周りの奴らの
血の気が段々と悪くなる
幹部や総長格の
奴らでさえだ
トサッ…。
捨てた…いや落ちた
ナイフを拾い上げ
ポケットに直した。