IMITATION
Side 秀也
未来の様子がおかしい。
下を向いて動かない。
「…未来、未来!」
「…っあ」
「未来…」
「…しゅ、や」
…戸惑いの色を目に浮かべている。
安心させてやりたい。
「…行こう」
「…」
誰もいないのを確認した障害者用のトイレにつれて行く。
「…。」
「…」
ドアに鍵を閉める。
未来はじっと立ち尽くしたまま。
そっと引き寄せ、抱き締めてやる。
「…大丈夫」
「…っ」
「大丈夫だから」
「…っしゅ…やぁ…」
よっぽど怖かったらしく未来の目からは涙が出てきていた…