なぁ、泣けよ。
新入り?
『そうなんすか』
俺はこの時あまり深く気にしていなかった。
『あぁ。俺のダチの妹だ。年は高校卒業したばっかでお前の一個下だろう。ちょっと諸事情で働いてもらうことになった』
『女子っすか。諸事情って…―』
『まぁ、そういうことだから基本は櫂斗、お前が教えてやれ』
俺の言葉を遮り店長が言った。
まぁ、気にすることでもないか。
『うぃ―――す』
この出会いが俺とお前の運命を変えることとは何一つ知らなかった。