なぁ、泣けよ。
『お!来たか結羽♪』
『こんにちは。……あ!奏汰さん!』
ちょこちょこ駆け寄ってきた女の子を見て俺ら2人は固まった。
『今日からお世話になります♪』
ペコッとお辞儀をする女の子。
『なーに固まってんだお前ら。結羽が可愛すぎるからって固まってんじゃねぇよ』
『いやいやいやいや、お世辞が過ぎます奏汰さん//』
少し頬を染めてそう言う。
相変わらず俺らは固まったままだ、それもそのはずだ。
胸あたりまで伸びている軽くウェーブがかかったミルクティー色のロングヘアーからは微かにピーチの香りがする。
小さい顔立ちに大きな目、唇はピンクのグロスで笑うとえくぼができて引き込まれるようだった。
『奏汰さんから聞いてると思いますけど、改めてまして私は姫野結羽(ひめのゆう)と言います。今日からよろしくお願いします!』
そう言って笑う結羽。
すると横にいた拓が耳元で、
『なぁ、ヤバくねぇか。こんな子いるんだな』
『…………。』
言葉が出ない。