未完成なパズル
何かまた濃いのがきた…
心中で呟く。
「なぁ、なぁ、愛莉。」
左側から私を呼ぶ声。
…もっと濃いヤツが隣にいた。
「なぁ、愛莉。」
いちいち相手にするのも面倒だし、
聞こえないふりをしてみる。
「おーい。愛莉さーん。」
「………。」
「西園寺愛莉さーん。」
全く諦める様子のない彼に
仕方なく私が折れる。
「…何?」
「何かスゲー楽そーなのが来たな!」
明らかにさっきと声のボリュームが違う。