イケメン彼氏の秘密



陽菜乃ちゃんはポンっと手を打つと、お兄ちゃんの腕に抱きついた。



「斗真さんと先輩のデートを邪魔しないようにお兄さんと私は一緒に行動しまぁす♪」

「陽菜乃、お前絢歩さんに目ぇつけたな」

「あバレました~?」

「絢歩さんだって彼女いるんだからそういうのやめとけって…ってあれ……絢歩さんどうしました?てか恭奈もどうした?」



掴まれていない方の腕で目を抑えるお兄ちゃん。


両手で顔を抑える私。


そう…お兄ちゃんは彼女がいない。


「いるんだろ?」とか「いいよな彼女いて」と友達から最初からいる事前提にされるお兄ちゃんを私は何度も見てきた。


その度にお兄ちゃんは何らかのショックを受け、私はお兄ちゃんに同情する。


いない理由は私が思い当たるだけで2つある。


1つは学校が終わればすぐに帰宅。そして部屋に籠る。


もう1つは休日は大体家に…部屋に籠っている。


…あれ。似たような理由になっちゃった。
ていうかよくよく考えると引き籠りみたいだよお兄ちゃん…!



「あ…え……ひょっとしていないんですか」

「………」



こくり、と兄妹揃って頷いた。



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