イケメン彼氏の秘密
やけに気合の入った看板を見て固まる。
…さっきの言葉は撤回。
斗真となら確かにどこでも楽しいけど…だけど……!!
「斗真やっぱり違うところにしよう」
「いやいや行きたいって言ったの恭奈だろ」
「違うところにしよう!」
「看板見て俺はすげー入りたくなった」
お化け屋敷。
気合の入った看板=中も気合が入ってる、んだと思う。
斗真はさっそくと教室の前で座っている男の子に話しかける。
多分受付係?
「入っていいですか?」
「あーどーぞ。たいして面白くねぇけど」
「怖ければいいですよ」
「怖くもねぇと思う」
随分とやる気のない受付係の人。
看板と正反対だなぁ…怖くないなら嬉しいけど。
『一ノ瀬!ちゃんと受付をやれ!!』
『成の言う通りやで!ちゃんと受付せえや!!』
『柊也ー。月森と大貴は無視しろー人入れんなー俺を働かせるなー眠いから』
『こら奏十!!何言ってんねん!!』
中から声が聞こえてくる。
…確かにあまり怖くなさそうかも。