イケメン彼氏の秘密
恐る恐る指を差し、尋ねてみる。
「あ、ああの…後ろの顔のそっくりな方は…?」
「え?何のことかな?後ろ?」
そう言って男の子は後ろを見た後、首を傾げた。
「誰もいないけどなぁ~」
「えぇ!?う、嘘!?斗真っ斗真は見えてるよね!?ね!?」
「…え。恭奈何言ってんのさっきから。何もいないけど?」
う、嘘……。
本当に私だけ見えてるの!?
後ろにいる黙ったままの男の子は段々と私の方へと近づいてくる。
「あああ…あ…こ、ここっこないで……!!」
「バカなの?あんた」
「え…?」
喋った。喋ってる。はっきり聞こえた。
「どう聞いてても芝居でしょ」
「芝居…?」
すると隣と前から笑い声が聞こえてきた。
最初は我慢してるように微かにだったけど、段々と大きく。
「いやー面白いね。初めて成功したよこれ。今までは「何芝居始めてんの?」みたいな感じでバレちゃったんだけどさ」
「翔が芝居下手すぎなんでしょ」
「瞬は黙ってるだけだから楽じゃん」