イケメン彼氏の秘密
本屋到着。
お兄ちゃんから渡されたメモに書かれている本を順に探し、手に取っていく。
最後の一冊を見つけ、手に取ろうとした時、ちょうど横からのびてきた手とぶつかった。
「あ。すみません」
「こちらこそすみま…」
「あれ?斗真?」
「えっ…いいい、いや……だ、誰ですっかね…?」
顔を上げ、目があった人は斗真。
キャップに眼鏡を身に付けている。
何故か誤魔化しているみたいだけど完全に声が斗真だし。
動揺してることがバレバレ。
出した手の反対には重そうな袋を持っていた。
「どうしたの?斗真。眼鏡…目が悪くなった?」
「いや…その……斗真って…」
「誤魔化そうとしてもバレバレだよ」
「…う…………おはよ、恭奈」
「おはよう、斗真」
うん。やっぱり斗真だった。
どう見ても斗真だし…バレないとでも思ったのかな。
っていうか何で誤魔化そうとしたんだろう。