イケメン彼氏の秘密
斗真は本を一冊取り、「じゃぁ」とすたすた歩いていった。
行動が怪しすぎる。
誤魔化そうとしたりすぐに帰ろうとしたり……。
よし。
暇だから尾行してみよう!
…本当は斗真には悪いことだけど私は知りたい。
何を隠そうとしているのかを。
とりあえずこの本のお金を払ってこないとね。
「お会計は1920円になります」
「はい」
「……2000円頂きましたのでお釣りは…あれ……少々お待ちください」
あぁぁっ斗真が行っちゃう!
少々お待ちも待てないよっ!
店員さんは10円玉を一枚持って戻ってきた。
「すみません。一枚足りなかったもので…」
こんなときに限って何で10円玉、一枚ないの…。
「80円のお釣りになります。ありがとうございました~」
急いでお店を出ると、随分先に斗真の姿があった。
見失ってなくて良かった。