イケメン彼氏の秘密
ユリちゃんは首を傾けてから質問してきた。
「どうして先輩がここに?とう…じゃなくてサクトさんと一緒じゃないんですかぁ?」
「えっと……一緒というかなんというか…」
「サクトさんってユリりんが超かっこいいって言ってた人?」
「そうですよぉ♪」
「やっぱり!?ウチ、会いたーい!!」
ここで斗真と会われたら、私が尾行してたことがバレるんじゃ…!?
それはヤバい。
斗真、絶対怒る…!!
「あー駄目です。だぁーめ」
「何で~?」
「ヨーコさん、サクトさんと会ったら絶対取ってかかりますよねぇ」
「ウチは獣かっ!」
「いやいや獣だろ。俺だってやられたし」
「ですよねぇ~あたしもやられましたし」
「それは不可抗力というものであって……」
「言い訳無効ですぅ。会わせませ~ん」
良かった…会わせないならバレないよね。うん。
っていうか取ってかかるって…何。
「なぁ、ユリ。今更だけど突っ込むな」
「はい?」
「アーヤ似なこの子とは知り合いなのか?」
「はい~同じ学校であたしの先輩ですぅ~♪」
「へぇ。いいなーっ!アーヤ似…可愛すぎ……」
「はわっ!駄目ですよぉカイさんまで先輩を襲おうとしないでくださいっ!!」
ユリちゃんは2人の手首を握り、進み出す。
顔だけ振り返り
「ではでは先輩。迷惑かかる前に退散しまぁす。また学校で!」
「ばいばい」
と言ってどこかへと行った。
斗真はもう出てきていいころなのに…いない。
まさか…今、話している間に行っちゃった!?
それはヤバいよ!!迷子になるよ!!
リスクは高いけどゲーム屋さんに入って確かめよう。
いないのにここでずっと待ってるなんて無意味だし。