イケメン彼氏の秘密
斗真が起き上がった瞬間、私は温かさに包まれた。
「正直、俺の秘密を言うのは嫌だった。別れるって恭奈に言われたくなかったから。だから…秘密にしときたくないとは思ったけど、恭奈ともっといたいって思う方が強くて、言うのが遅くなった」
「いつ言われても別れるなんて言わなかったのに」
「…みたいだな」
斗真は嬉しそうな声でそう言った。
「それで…質問の答えは?」
「あぁ…最初はアーヤ似だったから。でも、告白した時や今は違う。恭奈は恭奈だから。俺は恭奈が好き」
「うん、嬉しい。斗真は斗真だもんね」
「俺は俺…そうだな。……バカなとこもドジなとこも全部踏まえて、恭奈が大好きだから」
「オタクだからって斗真が優しくて頼りがいがあったり…他にもいいとこ全部変わるわけないもん。私もぜーんぶ踏まえて斗真が大好き」
斗真は一度離して、私の顔を見たかと思いきや、だんだんと近づいてきた。
自然に私は目を閉じたんだけど…「ククッ…」と笑い声が聞こえた。
目を開けると笑いをこらえるような斗真。
「キスは我慢してとりあえず抱き締めとこうって思ったのに…恭奈はキス待ってるし」
「えっ!?ば、バカ斗真っ!!最低!!そこは流れで…」
「してほしいのか。よしよし、わかったわかった」
「してほしいとかじゃなくてっ…そのっ……」
「もう言い訳は聞かなーい♪」
「えっ待っんんっ……!!」
たとえ、オタクであっても斗真は斗真。
…そう、たとえ意地悪でもね。
好きな気持ちは変わらない。
イケメン彼氏の秘密がもし違うことだったとしても。
ずっと大好き。
ー end. ー