イケメン彼氏の秘密


リビングにはお母さんがきたみたいで、お兄ちゃんと話していた。



『あら?絢歩(アヤト)だけ?恭奈は?』

『へ、部屋で寝てるんじゃないか。っていうか、お母さん。遅かったんじゃ?』

『ご飯を作ってあげなきゃと思って一度帰ってきたのよ』

『大丈夫。俺が作るから行ってきなよ』

『あら、そう?じゃぁ任せるわね。またいってきまーす♪』

『いってらっしゃい』



ガチャン。


そう玄関の音が聞こえると、カーテンから出た。


私もお兄ちゃんもホッと一息。



「で、どういうこと?」

「えっとね…」



私のお母さんは相当な面食い。


可愛い子、かっこいい子を見るとすぐ「可愛い」or「かっこいい」を連呼して抱きつく。


前に花音ちゃんが遊びに来たときはお母さんは夜勤に行かなきゃいけない、花音ちゃんは帰らなきゃいけない。


そんな時にお母さんは抱きついて、離すのが大変だった。


まぁ、お母さんが面食いなお陰でお父さんはかっこいいんだけど。



「…と。そういうことです」

「なるほど」

「っつーか、恭奈が男友達を連れてくるとはな」

「斗真は友達じゃないよ」

「彼氏です」

「……は?」



お兄ちゃんは固まったまま動かない。







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