イケメン彼氏の秘密
真由美ちゃんはメイドさんに「仕事に戻っていいわよ」と声を掛けると、咳払いをしたあと溜め息を吐く。
そして花音ちゃんと陽菜乃ちゃんの方へと目を向けた。
「私に何かご用がありまして?」
「あるわよ。ちょうど本人達もいて良かったわ」
本人達…?
私と斗真のことなのかな。
陽菜乃ちゃんは携帯電話を取りだし、真由美ちゃんに見せる。
「ちゃーんと証言も録ってきましたからね~」
「…何のことです?」
私も花音ちゃんと陽菜乃ちゃんが言っている話がわからない。
斗真の方を見ると、首を傾げられた。
「麻倉くんの携帯を使って恭奈を呼び出したのは真由美でしょ?」
「おかげで先輩はあんなに寒そうにっ…うぅ。あたしがあの時気づいてあげれていたら……せんぱぁい…」
「えぇっ…!?」
がばっと私に抱きつくと頭を撫でられた。
花音ちゃん達が言いに来たことは斗真が言いに来たことと同じだったんだ。
ん?っていうか何で二人はこの事を知って…
「…証拠は?」
「真由美と手を組んでた女子に全部はいてもらったわ」
「言ったじゃないですかぁ証言も録ってきましたって」
真由美ちゃんは眉間にシワをよせまた溜め息を吐いた。