イケメン彼氏の秘密
ー斗真sideー
真由美は座っていた椅子からゆっくりと立ち上がると、寂しそうに冷たい目線を俺へと向けた。
こんな表情の真由美は初めて見た。
「斗真さんは私のことどう思っていますの?」
「え……と。よく俺が女子に絡まれて困ってる時に助けてくれるし。それに気が利いてるし…すげぇいい奴、だと」
真由美とは小学生の時からずっと一緒でほぼ幼馴染みみたいなもんだ。
いつも俺のことを気にかけてくれていた。
何かあるとすぐ手助けをしてくれるし、頼れる姉的存在。
「すげぇいい奴、ですか…ふふっ。それだけですのね」
「え。あぁ、まぁ…」
それだけ、って言葉に引っ掛かるけど。
「残念ながら私はいい奴でもなんでもありませんの。ただの嫉妬深い奴ですわよ」
「嫉妬…?」
「はい嫉妬です。…私、斗真さんが好きですの。昔から今まで…ずっと」
「なるほど。だから嫉妬を…っては!?え、真由美は俺のこと好きなのか…!?」
「えぇ」
おいおいおい…全く気づかなかったし、そんな素振り見せたことなかったし。