虹色えんぴつ
よく分からない表情を見せる明奈は
少しあたしに顔を近づけると
小さな声で耳打ちした。
「実は私ね、翔太君が好きなの」
「…んぇ?」
急な告白に驚いて裏声が出てしまった。
明奈が翔太の事を?
「いつから好きなの!?」
「しっ!声が大きい!」
明奈は手であたしの口を抑えながら
もう片手で人差し指を自分の口に当てる。
そしてキョロキョロ辺りを見渡してから
少し照れた表情で
「入学した日から…」
こんな明奈を見るのが初めてで
あたしは言葉に表す事が出来なかった。