紅邑
はじまり
いつもの様に朝が来る。
ピピピと煩いアラーム音‥そして私が被ってる布団をゆさゆさ揺らす可愛い声‥。
「‥まんまっ、まんまっ」
「‥‥‥‥ん‥し‥ぐれ?」
眠たい目を擦れば、ぼんやりと移る男の子が笑みを浮かせ私を起こそうとしている。
「まんまっ、おちて!おちて!」
「起きたよ、時呉。おはよう」
可愛い我が子の笑顔に一瞬で目が醒め、身体を起こせばすぐにぎゅう‥っと抱きついてくる。
ああっもう可愛すぎるっ食べちゃいたい!!
‥‥なんとも親バカっぷりを見せる私、
桔梗 時姫(キキョウ シキ)19歳。
時の姫って書いて時姫。
そしてこの可愛すぎる男の子は私の我が子、
桔梗 時呉(キキョウ シグレ)2歳。
私が17の時に産まれた可愛い可愛い愛しの我が子だ‥。