紅邑


世間一般で言えばシングルマザー。

時呉の父親は元カレ。
“子供が出来た”と告げた瞬間
血相を変えて逃げやがった。

‥‥私も男運無かったなー‥。

だけど、逃げた男には興味無い。
例えアイツが時呉の父親だとしても時呉は私の大事な子供だ。


そりゃ、時呉が産まれてすぐにアイツをぶん殴りに行こうとしたけど、殴った所で何にも解決しないって兄貴に言われちゃったし、仕方ないから諦めた。


「まんまっ、ごはんー!ごはんー!」


「‥‥ご飯?今日は兄貴が居る筈‥。時呉ー秋人は?」


「あちと、がっこー!!」

「‥‥え?もう行ったの??」

「うんっ」


秋人とは、私の兄貴である。

桔梗 秋人(キキョウ アキト)24歳。
この若さで【薊高等学校】の理事長?だったけな。確か


それに加え
元・全国No.1【桜蘭(サラ)】の5代目総長だった。


ついでのついでに言っちゃえば

私は【桜蘭】の6代目総長だったり。

それは高校時代まで‥だけどね。
高校2年の時にお腹の中に時呉が居る事が発覚して喧嘩は止めて、夜行性生活も止めて大事に大事に育てて来た‥。

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