紅邑



「‥んー、そっかぁ‥じゃあママがご飯作るから、リビングで遊んでてねー?」


「あーいっ!」



私がそう言えば元気よく手を挙げて返事をした、時呉を軽々持ち上げてリビングへ向かう。



‥‥あんの糞兄貴‥。


「今日は朝ごはん作るからお前は寝てろ」って言ったくせに‥っ!

時呉がお腹空かせて泣いてたらどう責任取ってくれんだはげっ!!

内心、イライラを隠せないが時呉にはそんなママは見せないよっ!いつもニコニコしてなきゃ、将来グレちゃうからなっ


「まんまっごはんー!ごはんー!」

「すぐ作っちゃうから待っててね!」


リビングにつくや否やキャッキャッ騒がしく走り回りながら
“ごはんー!”と叫び散らしてた。

ああ、こう言うのって幸せを感じてしまう。


兄貴が帰って来たらどつかなければ‥。





「‥はい、時呉、いただきます。」

「いただちまーちゅ!」

パチンッと両手を強く叩いて小さな手にはフォークを食べ物に刺し器用に食べる時呉を見詰めるだけで、私はそれだけで幸せなのだ。




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