紅邑


「‥‥‥‥‥‥」

「ご、ごめんなさい‥‥」


どうやら言い訳をしても無理だとやっと気付いた様で深々と土下座。
何故か、すぴんすぴんと鼻を啜る音が聞こえるがそこはあえて無視だ無視。

「‥で?どうなったの?結局」

「えっ‥あぁ、警察沙汰を起こしたのが【堕神(ダシン)】って言う暴走族の奴らでして‥。ちょくちょく問題起こしては何故だか俺が出る羽目になっちまうから困ってんだなー‥これが」


【堕神】とは昔からあった【桜蘭】と敵対していたチームだ。
兄貴と私が総長をしていた時は全くと言っていい程事件を起こさなかったが
最近になってまた暴れだしたそうだ。


「堕神が暴れだしたのは私達が居なくなってからだから、その後だれも止めるチームが居なくなった訳?」

堕神は麻薬、レイプ、殺人未遂、飲酒運転で轢き逃げ等数々の問題を起こして度々噂を耳にする私には一番嫌なチームだ。


しかしそれを止めてた桜蘭も私が総長を辞める時に同時に解散した。

そこから約2年の内にご立派に成長してしまった訳か‥。


「そうなんだよなー‥で、今止めようとしてんのが最近出来た【紅邑(クオウ)】ってチーム。初代総長は俺の親友、棗(ナツメ)だ。時姫も覚えてるよな?んで、棗がもうめんどくせぇっつて今俺の学校の高2の男が2代目総長。」


「‥‥うん覚えてるよ。てか時呉の父親じゃん、一応」

「あ、そう言えばそうだっけ?」

兄貴の親友、栗谷 棗(クリタニ ナツメ)25歳。兄貴と同じ様に暴走族の元総長(らしい)ソイツは私の元カレだ。で、時呉の父親。

アイツいつの間にチーム作って総長やってたんだよ、知らなかった‥。


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