罪語りて所在の月を見る


「僕の周り――近くにいれば、きっとまた“同じようなことが起こります”。その時が来れば、僕には制御できないし、あなたたちを守れない。

僕の呪いに巻き込まれたくなければ、もう近づかないでください」


大好きな友人が、自分のせいで傷つくかもしれない場面なんて見たくないと、はっきり思えた。


つくづく、気づかされる。


また、ありがとうと言いたいところだった。


『一人で生きていける決心が、作れるから』


渉はそうして秋月から顔を背けたが、まだ納得していない秋月が言葉を出す。


「ふざけんといて、わたるんはん!そないなこと――」


「分からない人ですね、あなたも。巻き込まれたくないなら近づくな、言ってしまえば、邪魔なんですよ、あなたたちは」


「なにを……」


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