罪語りて所在の月を見る


「……」


都市伝説の話を――その答えを知らない渉ではなかった。


『あぎょうさん、さぎょうご、いかに』

それについての答えを阿行は涙声で求めて、言ってほしいと――


『嘘です』と、また一緒にいてほしいと言ってほしかった。


「わたるん、や、だぁ……。私、わたるんと一緒が、いい……。きらわ、ないで……。嘘って、いって、よ……」


今にも大泣きをしていいのにせず。途切れ途切れで、泣いたら伝えられないからと、必死に語りかける阿行の想いが――渉の頬を濡らした。


「わたるんはん」


物言わぬ渉の手を、秋月が握った。


優しいはずなのに離さないと言われた頑なさが伝わってくる。熱く、心まで届くほどに。


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