罪語りて所在の月を見る
「わたるん、もうっ、私、わたるんと結婚する!そうすれば離れないでしょ!」
わああん、と極論に至った阿行が渉におぶさり、離れるもんかと腕を回した。
結婚をどうやら安易に見ているらしい。 一先ずは、渉と離れなければそうしてやると自棄になっているようだ。
「まっ、待てや、ろりっ子!てめえは俺のオパーイ要員なんだぞっ、結婚だなんてしちまったら、てめえの初めてが――」
「うるさいっ、骨のバカー。骨のせいでわたるんが変なこと言うんだーっ。うわあぁん!」
「なんだその八つ当たり!?」
「そやねぇ、ザコキャラのせいやねぇ。こないなことになったのは」
「ええ゛っ」
「兄さんの言う通りや、兄さんの言うことに間違いなんかあらへんし、わたるんはんが嘘ついたのもザコキャラのせいやね。死んで、詫びろや、噛ませ犬」