罪語りて所在の月を見る
罪語りて所在の月を見た、我が身安らぎ灰塵の呪物が手を伸ばす
(一)
つくづく、中途半端な人間だと思った。
結局は何も変わらない、何かが起こるわけもない、いつも通りの停滞で、自身の呪いが消えて安らぎなんかこないはずなのに――『また明日』の言葉が、ひどく身に染みた。
皆と別れて、今は渉一人。当初は阿行が離れたくないとしばらく駄々をこねたが、秋月たちに預け、何とか帰路につくことができた。
『また明日』
必ず会おうとしたその挨拶には、思い出すだけで胸に光が灯るよう。
何の解決策も見当たらない、もしかしたら、このままでいようとしたこの選択が後々に渉を後悔させることになるかもしれないが――もう、決心はついた。