罪語りて所在の月を見る


ただし渉におぶさったまま。二人で一枚の窓とは効率悪いし、小柄な渉では脚立代わりになどならない。少女が拭くのは、渉の手のちょっぴり上だった。


隣の窓を、と言ったところで人におぶさるのが大好きなこの少女は決して離れず、無理に引き剥がせばうるうるな子犬の目をするだろう。


人型に子犬なんてと思うなかれ、少女がつける顔文字お面はきっと(´;ω;`)とアピールしてくる。


今のところ、知り合いを見つけたらしい少女は(=´ω`)ノみっけーと可愛いものだ。


「ななりんはねぇ、天神学園巨乳ベスト3候補なんだよー」


「はあ、そうなんですか」


ここで渉が初めて委員長(憶測)の胸に目を向けた。


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