罪語りて所在の月を見る


「てめえらまとめていたぶってやんぜ、ヒャッハアアァァっ!」


溝出、ハイテンション。


喜び絶頂、張り切り好調で溝出の頭が逃げる奴らの退路に回り込む。


「ひいぃぃっ!」


「おらおらっ、この大妖怪溝出様から逃げられると思うなよおぉっ!」


恐怖から逃げようとしてもその度に回り込む溝出。こんなことを思うのは涙を流して悲鳴をあげる彼らに悪いが、客観的に見ると、犬と羊。


家畜をまとめる牧羊犬みたいだった。追い詰められ、一つに固まった不良どもは身を寄せ合って震えるだけとなった。


もう逃げないと分かった溝出が、不良の中でも一番目立つマッチョに近づく。


「ひいぃっ、や、やめ、来るなあぁっ」


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