罪語りて所在の月を見る
「てめえ、ガキかっ、このくそガキャアァァ!千円程度がてめえの誠意かよ!俺は野口より諭吉派なんだよ、おうおうよー!俺の怒りが野口で鎮まると思うだなんて、舐めてんのか馬鹿どもがあぁ!社会の厳しさ教えてやっから、小指つめろやあぁぁ!」
騒ぎながら、ちゃっかり千円札を口に入れた骨を渉は見逃さなかった。
「諭吉だっ、諭吉っ。せめて48人用意しろやっ、Y(ゆ)K(き)C(ち)48で全国に売り出してやっからよっ。みんなが大好きなあいどる決定だ、こんちくしょおおお!」
ハイテンションすぎて支離滅裂になってきた。確かに諭吉を嫌いな人など日本全国どこにもいないが。
「溝出さん、そろそろ」
涙流して失禁寸前の男八人を見れば止めたくもなった。